『足立区のみんな、ただいま。』
足立区西新井発 ⇒ 杉並区高円寺経由 ⇒ 世界巡回 ⇒ 北千住着KaToPeは世界のフリークスに愛されるプリンス・オブ・フリークス。
観る側の『観る』行為が,気が付けば『魅せられている』事に気が付いたら最期。
…それは立派なKaToPeフリークス。
円の価値より 縁の価値
KaToPeは地元足立区をセカンドステージに選び、世界に通ずる身近なアートを提供します。
…KaToPe…町の職工&お絵描き&足立区民100%麻キャンパス、拾って来た木片、木目の良い端材、インクのノリさえ良ければ何でも使ってドコでもお絵描き。好き勝手かつ地味に活動中……筋書…街の吹き荒ぶトンガった外気に晒されないからこそ、独自に進化し続ける異文化が、東京のウ~ンとハズレに存在する。KaToPeは異文化の森を自由に飛び回る鳥達の飼主であり、亜熱帯植物とキノコを中心としたガーデナーでもあり、時々、建築家のようでもあるノンキな絵描きだ。東京で最も東京を感じさせない場所『足立区』。列車は地上を走り、小さな工業集落が発展を遂げた町の景色はさながらブロンクスの様で有り、先行く都市文明とは寸断された異文化は、ブラジルのゲトーの様でも有り、今だド−プな才能は23区内のアルカトラズへと強制収容され続けている。『KaToPe』も同様に東京の地下世界で長い間を過ごし、ようやくマンホールから差し込む僅かな光を感じ取った一握りの存在である。『KaToPe』がペン先から産み出したキャラクターは、近所のお爺さん、お婆さん、子供、鳥、犬、虫、自然…身近な存在すべてが、脳内シムシティで現実的に生活を脈々と営んでいる。それらは心の中で次々と発見されるO-Partsの様なモノで、その解明を楽しむかの様に彼は繊細にスケッチをしているようだ。それでも強烈な非現実感などなく、不思議と湧いて来る親近感…。子供は昆虫採集のように歓喜し、乙女は隠しきれない下心を垣間見せ、成人男子はポジティブなバッドトリップを味わう事になるが、観た者すべての脳内に、まるでファミコンの隠しコマンドが新しく追加されるのである。
text by 柳澤光二(
楽友堂/
みたり)